プロダクトマネジメント目線で必要とされるスキルセットとマインドセット

はじめに

リテイルテックベンチャーでプロダクトマネージャーをやっているNaniwanです。

約1年半、プロダクトマネージャー(以降、PdMと略します)として様々な経験をさせていただきました。

2019/04:業界特化型SaaSのデータ分析基盤構築の立ち上げ(役割:PdM)
2019/10:POSデータ基盤構築、顧客アプリ新機能追加(役割:PdM)
      ※少しSIチックな設計・開発

そして、プロダクトマネジメントに関する様々な文献や講座を参考にさせていただいるのですが、プロダクトマネージャーの

そもそも、プロダクトマネージャーって、どんなスキルが必要なの?どんなマインドセットを持つべきなの?と言う点で迷われている方が、多いのではと思うので、まずは、必要なスキル・マインドセットを知ることで全体像を把握することから始めていければと考えております。

マインドセットとスキルで形成される階層構造

全体像を理解するために、以下の図を独自で作成しましたが、スキルには「マインドセット」「ポータブルスキル」「テクニカルスキル」の3種類あります。

マインドセットは、生まれながらの性格や過去の経験、教育、先入観を経て形成される思考様式、心理状態。暗黙の了解事項、思い込み(パラダイム)、価値観、信念。(この部分、非常に定義が難しいですが、コンセプチュアルスキルやコンピテンシーなどとも密接に結びつくところです)

ポータブルスキルは、その名の通り「持ち運び可能なスキル」です。現在、属していている環境だけで通用するスキルということではなく、他の環境に移ったとしても通用するスキルです。

テクニカルスキルは、「その分野特有の専門的なスキル」ということになります。

マインドセットとスキルで形成される階層構造

マインドセット

前章で簡単にマインドセットについて説明しましたが、改めて意味を記載してみると以下の通りです。

「ある人や集団の中で確立している思考様式」

大辞林 第四版

もう少し要約して説明すると、生まれながらの性格、これまで受けてきた教育、経験、先入観から構成される「無意識の思考のクセや思い込み」です。

例えば、組織のマインドセットという側面でいうと、トップダウンで仕事が下りてきて、慎重かつ着実に仕事を押し進める大手企業の人と、自ら仕事を見つけて、スピード感を持って仕事を押し進めるベンチャー企業の人だとマインドセットも大きく異なります。

話すと結構奥が深い内容になりそうですので、別途の記事で整理しようかと思います。

1点だけ、「プロダクトマネージャーの持つべきマインドセット」について、興味深い記事を見つけたので、リンクを添付させていただきました。

1年半のPdMの経験を踏まえて、非常にわかりみが深い内容になっております。

簡単ですが、3点のキーワードについて触れておきます。

HRTの原則

優れた開発チームでは、謙虚(Humility)、尊敬(Respect)、信頼(Trust)の3つの価値を大切にしており、関連する組織(チームや顧客)との対話において、この価値を重んじることが成功に繋がるといった考え方です。

学習欲と好奇心

プロダクトの価値を高める為、かつPdMとして求められるBTD(ビジネス・テクノロジー・デザイン)の最低限のテクニカルスキルをキャッチアップする為、エンジニアと円滑なコミュニケーションを行う為、最新の技術トレンドのキャッチアップや異なる分野に対して好奇心をもち学習するマインドセットです。

プロダクトへの愛着と社会的意義

プロダクトを市場に届けて、かつ収益を上げる為の最適解にたどり着く為にどんな困難にぶつかっても、プロダクトに愛着をもち、最後までやりきるマインドセット。また、関わっているプロダクトがどれだけ社会的意義があるのかに対する強い共感、そして、開発に携わるメンバーを鼓舞するため説明責任を果たすマインドセットです。

ポータブルスキル

ポータブルスキルについて、冒頭では「持ち運びできる能力」とお伝えしましたが、さらに細分化すると「対自分力」「対人力」「対課題力」と言った形にわかると言ったことが様々な文献でも語られております。

3つのポータブルスキルをまたさらに細分化した能力を「ポータブルスキル開発プログラム」と題して、きれいにまとめられている記事がありました。

対自分力

決断力、曖昧力、瞬発力、冒険力、忍耐力、規律力、持続力、慎重力

対人力

主張力、否定力、説得力、統率力、傾聴力、受容力、支援力、協調力

対課題力

試行力、変革力、機動力、発想力、計画力、推進力、確動力、分析力

各能力の羅列を見てなんとなく想像できたかもしれませんが、過去の仕事の実績や資格取得などで図られる専門的なスキルではなく、業務を遂行するプロセスの中で培ってきた、どの企業でも通用する普遍的な能力のことをポータブルスキル と呼んでいます。

とはいえ、現在の役割で特に求められるポータブルスキルの優劣は当然あると思うので、今まで培ってきた能力と現在の役割で求められている能力とを照らし合わせて、今後伸ばしていきたい能力、不足している能力を伸ばしていくことが必要になります。

テクニカルスキル

テクニカルスキルについては、冒頭でもお伝えした通り、その分野における専門的なスキルです。プロダクトマネージャーという側面で言うと、BTD(ビジネス・テクノロジー・デザイン)などの専門的スキルに加え、マーケティングやユーザー理解に関するスキルも必要となります。

プロダクトマネージャーに求められるテクニカルスキルについては、以下の記事でまとめておりますので、もし興味があればぜひご参考ください。

プロダクトマネージャーに求められるテクニカルスキル

各々のスキルをどう伸ばしていくか

まずは現状の自分を知ること

今後、自分がどのようにマインドセットを変えていけば良いのか、また、どのようなポータブルスキル 、テクニカルスキルをどのようなプロセスで伸ばしていけば良いのか、知りたい人はたくさんいると思います。

マインドセットを変えていくため、また、スキルを伸ばしていくために、まずは現状の自分を知ることから始めてみることをおすすめします。

マインドセット

自分がどんなマインドセットを持っているのかは、幼少期からの自分を振り返りどんなことをどんな思いで取り組んできたのか、棚卸ししてみることをおすすめします。

自己分析に近くかなり重たい作業になると思いますが、これをやることによって対自分視点でのマインドセットや行動特性が見えてくると思います。

自己分析を本格的にやりたい方は、Showroom代表取締役の前田裕二さんが書いた「メモの魔力」の1000問の問いに答えてみることをおすすめします。

対自分視点でのマインドセットが見えてきた後に、できる限り多くの人とセッションをする機会を設けることをおすすめします。

要するに、棚卸しした過去を互いに自己開示してみる、と言うことになります。

セッションをすることにより対自分視点で見えていたマインドセットを客観視できるようになると思います。

上記2点をやることにより、自分自身の強みや弱みが見えてくると思います。

ポータブルスキル

こちらは、マインドセットほど重たい作業ではないですが、今まで担当してきた案件、仕事の実績だけでなく、どんなプロセスで実績を残してきたのか、この部分について深掘りして振り返って見ることをおすすめします。

もう少し具体的に言うと、転職するタイミングではなくても職務経歴書を作成して見ることが良いのではないかと考えます。

職務経歴書には実績しか記載しないと思うので、今までの担当してきた案件を振り返る中で、自分はどんな役割で何をしてきたのか、困難にぶち当たった経験があれば、その時どう考えて、どう乗り越えたのか、結果を受けて何を学んだのか、考えて見ることをおすすめします。

テクニカルスキル

こちらは、明確に今までの経歴や資格、個人としての実績が大きく問われるところになります。職務経歴書をベースに自分が今後キャリアアップしていきたい領域の人材市場に詳しい人(端的に言ってしまうと、エージェントの方)などに職務経歴書を見せて、企業側のニーズと照らし合わせて、何が不足しているのかをアドバイスしてもらう形が有効です。

※ここで注意して欲しいのが、エージェントを選ぶ際は、中長期の目線で自分の目指していきたい目標に対して親身にアドバイスしてくれるエージェントの方に依頼することをおすすめします。人によっては、現時点のスキルを見て速攻エントリーを進めるエージェントもいます。

まとめ

今回の記事は、インデックス的な意味合いが大きいですが、プロダクトマネージャー目線で、ビジネスマンとして求められるマインドセット、スキルセットの全体像と描いてみました。また、現状の自分を知るにはどうしたら良いのかについてもまとめてみました。

今後は、プロダクトマネージャーとして、持つべきマインドセット、および伸ばすべきスキルセットについては、近日中に公開をしようと思います。

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