初めまして。リテイルテックベンチャーでプロダクトマネージャーをやっているNaniwanです。
大手SIerのPMとして約7年、その後、今のベンチャーに転職してプロダクトマネージャー(PdMとも略します)として1年半になります。
PdMとしてはまだまだ新米な私ですが、プロダクトを提供しているベンチャーを中心とした世界の中でも、まだまだ”プロダクトマネージャー”という仕事が何なのか、何を学べば一人前と言えるのか、体系的な学習プロセスがはっきりしていない役割だと思っております。
ですので、私の今までの経験と参考文献を踏まえ、拙いながらもPdMに求められる最低限のスキルついて、できる限りわかりやすくまとめたいと思います。
目次
プロダクトマネジメントとは
そもそも、プロダクトマネジメントとは何かご存知でしょうか。
名前の通り要約すると「製品」を「管理する」と言うことになります。
プロダクトという言葉をもう少し掘り下げてみると、辞書には「製品、生産物、製造物、特に工業製品。」と書かれております。そして、これらの中には無形の物ももちろん含まれております。
意訳すると、”ある製品を揺りかごから墓場まで責任を持って面倒をみる”と言うことになると思います。
そして、プロダクトマネージャーという役割は、以下の通り書かれております。
「ある製品の企画から販売まで、一貫して担当する責任者。」
https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/dict/ssd13906
プロダクトドリブンで会社の経営が成り立っているベンチャー企業ですと、プロダクトマネージャーは俗称として、”ミニCEO”という呼ばれ方をしております。要は、それだけ責任のある役割と言うことになります。
プロダクトマネージャーに求められるスキル
プロダクトマネージャーに求められる役割については実に多岐に渡ります。
そして、何ができれば一人前のプロダクトマネージャー と言えるのか、それについても明確な基準というものが存在しません。(個人的には、これをもう少し体系だったものにしたいという思いもありますが、、)
明確な基準が存在しない理由は、”取り巻く業界やユーザーによって求められるプロダクトの要求が異なるため、求められるプロダクトマネージャーの役割も変わってくる。”ということに集約されると思います。
そんな中でもプロダクトが成長するために顧客のニーズを特定し、実装することの「ユーザー」「ビジネス」「エンジニアリング」の間を取り持つプロダクトマネジメントの高度なスキルをフレームワークとしてまとめた”Dan Schmidt”さんという方がいます。

簡単に要約すると、このトライアングルの中心に位置するのは”プロダクト”になります。そして、各切片に位置するのが、プロダクトを取り巻くステークホルダーになります。
- Developers
プロダクトを開発・実装するエンジニアです。 - User
プロダクトを実際に使う人(顧客)のことを指します。 - The Business
プロダクトの収益を期待する人(社長、投資家など)を指します。
プロダクトを中心とした各ステークホルダーの間には、隔たりがあります。
例えば、エンジニアは、開発をやり易くする為のライブラリの導入や誰が見てもわかりやすいコーディングを求めたりするなど、開発の効率性や保守性に意識が向きやすいという傾向があります。そして、これは全く悪いことではなく自然なバイアスです。一方、ユーザーの場合は、プロダクトのタッチポイントにしか知らないし興味がありません。言ってしまえば、自分たちが抱えている問題が解決されれば、それで満足というわけです。
こう言った隔たりを”Dan Schmidt”さんの記事では「空白」という呼び方をしておりますが、まさにこの空白を埋めて、プロダクトトライアングルを健全に機能させるようにすることがプロダクトマネージャーの役割です。
プロダクトマネージャーはプロダクトネットワークの全ての領域を健全に機能させることに責任を持っている
https://ninjinkun.hatenablog.com/entry/the-product-management-triangle-ja
プロダクトマネジメントトライアングルの個人解釈
上記で定義されているプロダクトマネジメントトライアングルは非常に網羅的ではあるのですが、情報量としては少し多い為、私自身の約1年半のプロダクトマネージャー経験を経て、現状感じているプロダクトマネージャーの役割を上記の形式に習い要約してみました。

簡単に説明すると以下の通りです。
開発者とユーザーの橋渡し
- カスタマーサクセス
ユーザーの声をかき集めて、その声に対して優先度分けしてプロダクトに反映させるかいなか、決める役割です。ユーザーの声を咀嚼してエンジニアにわかり易く伝えることも重要な役割の一つです。 - データサイエンス
プロダクト内でのユーザーアクションなどを分析するスキルです。 - デザイン
ユーザーの声をベースにアウトプットのイメージをデザイナーに伝えるスキルです。場合によっては、自分でワイヤーフレームを作成したりデザインをすることもあると思います。
ユーザーとビジネスの橋渡し
- マーケティング
ユーザーの嗜好や行動パターンから、プロダクトのニーズを調査する役割です。 - KPI設計
プロダクトが追うべき指標(KPI、NSM、KGI)の設計を実施して、プロダクトリリース後などの効果検証で活用します。 - ビジネスデベロップメント
この役割は日本語訳すると「事業開発」という意味で単純なのですが、具体的な役割は人によって解釈がある役割です。以下の再度で詳しく載っていたのでご参考ください。
【サラリーマンだけど自由に働く】ビジネス・デベロップメントとは?
https://medium.com/@akira_ca/bizdev-12095bd94ba
ビジネスと開発者の橋渡し
- プロダクト企画
ユーザーインサイトや会社のミッション・ビジョンをベースに今後作成するプロダクトの企画、および中長期のロードマップを作成する役割です。 - プロジェクトマネジメント
プロダクトがロードマップに沿って、開発が進められるように開発チーム全体のスケジュール管理、チームメンバーのタスク管理を堅実に実施する役割です。 - 予算管理/マネタイズ
プロダクトを収益構造を検討することです。例えば、最近のプロダクトはサブスクリプションモデルが多いですが、プロダクト内のここまでのアクションを行うと1回につきXX円もらうと言ったコンサンプションモデルも最近では出てきております。
大切なこと
プロダクトマネージャーに求められる役割については、プロダクトマネジメントトライングルの個人解釈の中で出来る限り要約しましたが、それでも9つの役割があります。また、その役割に応じてスキルが必要になると考えます。
では、そのスキルを全て完璧にしてこそ一人前になれるのか?
私自身の見解では、全てを完璧に出来るのであれば一人前になったと豪語しても良いと思いますが、それは現実的ではないと思います。
そんな中でプロダクトマネージャーとして、社会に求められる人材になるために、心がけてほしいマインドについて、3点記載したいと思います。
1つ目は、”プロダクトマネジメントトライアングルの穴を埋められる存在であること”です。
プロダクトマネージャーのミッションは、プロダクトを成功に導くことです。成功に導くために足りないピースを埋め合わせるような行動を心がけるようにしましょう。
2つ目は、”「エンジアリング」、「ビジネス」、「ユーザー視点」の基礎知識については、最低限身につけておくこと”です。
プロダクトの成功のために必要な要素は、以下の点だと思います。
- プロダクトを作り上げること。(エンジニアリング)
- プロダクトで収益をあげること。(ビジネス)
- プロダクトをユーザーに使ってもらうこと。(ユーザー視点)
上記の要素を理解し、効率的かつ主体的にリードできる立場になることがPdMには必要であると考えます。
3つ目は、”誰にも負けない分野を持つこと”です。
これは、シリコンバレーのスタートアップでPdMをやられている方に教えてただきましたが、この分野においては自信を持って自分が一番だと言える専門分野を持つことで個人としての市場価値が高まります。
自分がこれなら面白い、没頭できるという分野を早い段階で見つけておくことをお勧めします。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございます。
おそらく、PdM経験の浅い方だと学ぶことが多くて大変だ、、、と思われる方も多いと思いますが、知識については机上で全てが網羅できるものでもないと思いますので、今の与えられている役割と照らし合わせてじっくりと経験値を伸ばしていきましょう。
マインドについては、明日からでも意識して取り組むことをオススメします!
その他、参考文献
プロダクトマネジメントトライアングルと各社の PM の職責と JD
https://medium.com/@tumada/product-management-triangle-job-description-d18d1855ef65