大手SIerからWeb系ベンチャーへの転職で後悔しないための3つのポイント

キャリア

はじめに

初めまして、現在リテールテックベンチャーでプロダクトマネージャーをやっているナニワです!
2019年3月付けで7年間勤めた大手SIerを退職して、2019年4月からこの仕事をやらせていただいて日々大きな壁にぶつかりながらもやりがいを感じながら業務に勤しんでおります。

今回は、かつての自分と同じように大手SIerからのWeb系ベンチャーへの転職を考えられている方に転職で後悔しないためのポイントについてお伝えします。

自分の経歴

私立大学の理系院卒です。大学院では情報処理の研究室に所属しており、C/C++を用いて音声合成の研究をやっておりました。

入社後2年程は、COBOLやC++、Java、SQLなど言語を使用して開発の経験を積ませてもらいました。直近の5年超は銀行、保険などの金融系システムにおける契約管理、BI、社内タスク管理システムのPM/PLを担当させてもらい、その中で要件定義や設計を担当しておりました。

まとめると、開発2年、要件定義〜設計5年といったところです。

SIerを経験した上で形成された得意分野

  • 顧客(システム部)との折衝
  • 設計(要件定義、外部、内部などの上流工程)
  • 保守・運用(障害対応など)
  • 金融(特に保険)に関する業務知識

読んで欲しい方

  • SIerからの転職を検討されている方
  • 大手企業からベンチャーへの転職を検討されている方
  • SIerとしての仕事に何らか不満を感じている方

なぜ私が転職を決意したか

当時の大手SIerで抱えていた不満は大きく3点あり、その不満を解消したかったということが理由になります。

理由1:自分の想像した以上に「技術力がつかない」

当初、新卒で大手SIerに入社した理由は「今まで培ってきたプログラミングや研究発表などの技術的なスキルを生かしたい、そしてさらに技術力を向上させたい」というのが第一にありつつ、誰もが知っている企業、そして、給料もそこそこもらえる、安定しているなども意識していた気がします。なんとなく、両親や親戚に胸を晴れる企業に入りたいという気持ちあったんだと思います。

正直、入社して2年目までは自分で手を動かして開発を行うこと多く、新しい技術的な知識やスキルを吸収できているという満足感がありました。しかしながら、段々と年次が上がるにつれて、上流設計や顧客との折衝、協力会社のスケジュール管理など、マネジメントを主体とした業務に変わっていき技術に触れる機会が少なくなっていきました。
そして、何といっても嫌だったのが、本部長報告のためにパワポの資料作成を半月以上の時間をかけて作るという無意味な作業がプロジェクトが大きくなるにつれて増えてきたことです。

受託開発におけるプロジェクトマネジメントが好きであれば、特に問題なかったのかもしれませんが、エンジニアなのにマネジメントしかやらない当時の仕事を好きになれなかったことと、このままだと、いざ転職するとなった時に同業他社しか行き先がなくなってしまうという危機感が大きくなりました。

理由2:自社開発をやりたい

受託開発と自社開発で大きく以下のような違いがあります。

受託開発

  • システムは基本的にお客様のもの
  • 要件は顧客が決定する
    (それをベースにSIerが工数見積もり、要件調整を実施)
  • ウォーターフォール開発が主流
  • リリース日程は顧客が決める
    (よっぽどのことがない限りリリース日はずらせない)

(企業例)NTTデータ、NRI、日本ユニシスなど

自社開発

  • システムは自社のもの
  • 要件は自社(営業、CS、PdMなどと協議して決める)
  • アジャイル開発が主流
  • リリース日程は自社で決める。

(企業例)ヤフー、sansan、smartHR、FEZなど

まとめると、受託開発は基本的にお客様が出来ないシステム刷新作業をSIerが代わりに対応するというスタンスなので、要件に対する決定権は全てお客様になり自分たちで仕様を決めることができません。
一方、自社開発の場合は自社のサービスになるので、主にはPdMが主体となりプロダクトの仕様を決めていきます。

上記からもわかる通り、自社開発で自ら企画したプロダクト仕様が社会にどれだけ受け入れられるのか試してみたかったのが大きな理由の一つでした。

理由3:労務環境を改善したい

「SI業界特有の事情」と「会社の文化的な事情」で労務環境は正直よくなかったです。

SI業界特有の事情

理由2で話している通り、システム自体はお客様のものでありリリース日程の決定権が顧客側にあります。ゆえに、要件定義でスコープ調整や工数・予算見積もりを見誤ると残業でカバーせざるを得なくなります。。
自分が新卒入社した2012年よりは残業時間制限が厳しくなり労務状況が改善されてきていましたが、週2〜3回は22時近くまでの勤務が未だに続いており、障害が発生するともちろん問題が解消するまで基本的には残ります。

SI業界は、お客様のシステムを自分たちがお金をもらって保守・運用しているとことがほとんどなので、お客様の意識が変わらないことには自分たちの労務が改善されないということになります。

会社の文化的な事情

ミッションクリティカルな金融システムを長らくリードしてきた企業であったため、品質に対する意識が過剰なほどに高かったです。
そのため、計画や品質評価に対するレビュープロセスに骨が折れました。

若手のうちは、開発規模・リスクの低いPMを担当することになり、部長レビューまでで承認がおりましたが、年次が上がり規模の大きなプロジェクトのPMにアサインされると、本部長や役員のレビューを通す必要が頻繁に出てくることになります。そうなってくると、プロジェクトの始まりから終わりまでレビューに向けた準備orプロジェクト管理という状況が続きます。

こんな状況を経験し、この先今の仕事を続けていく中でプレッシャーに耐えられるのか、という疑問や怖さを感じてしまったということも理由の一つです。

転職活動の流れ

上記の不満を解消するために2018年8月ごろから転職活動を始めました。
転職活動の流れを端的に書くと以下の通りです。

活動期間

2018年9月〜2019年1月

概要

  • 2018/9 人材業界大手のエージェントに会う。(大手1社最終敗退)
    ※この時はベンチャーはあまり考えていなかった。
  • 2018/10 友人の紹介で個人でやっているエージェントからサポートをいただくことにした。
  • 2018/11 個人のエージェントへ完全にシフト
  • 2018/11 ベンチャー5社選考開始(1社書類、1社1次、1社2次、1社最終敗退、1社選考辞退)
  • 2018/11後半〜12前半 選考仕切り直し
  • 2019/1 ベンチャー8社選考開始(3社書類、1社1次、2社最終敗退、2社内定)
  • 2019/1月下旬 2社内定。

人材業界大手エージェントを頼りに面接

転職活動開始当初

転職活動開始当初は、ベンチャーに転職するということは正直考えておりませんでした。とにかく今の環境を変えたいという想いが強く、変えるためには自社開発をやっている会社に入社した方が良いということを信じていました。
給料もあわよくば、同じくらいもらえればという淡い願望もありました。

早速、大手人材企業の転職サイトに登録して、エージェントに会いあれよあれよと企業を紹介してもらい、1社選考を進める形になりました。

大手エージェントに対する違和感

大手エージェントの方にサポートいただく中で、正直結構違和感も感じておりました。それが以下です。

  • とにかく早く沢山の企業を受けさせたがる
  • 紹介される企業が自分の転職理由を加味した所とは異なる

私自身、当時は現業が忙しく、頑張って有給を取得するか平日夜20時以降でないと時間を確保することが難しいということもあったのですが、エージェントの方からは内定をもらっても長くは待ってもらえないので、できる限り並行して沢山受けた方が良いことを言われました。また、紹介してくれる企業について、自社開発を希望しているにも関わらず、SI企業を薦めてくるなどチグハグな部分がありました。

おそらく、ノルマが課せられているという部分、かつお金の出どころは企業にあるというところで求職者本人の意向よりも企業側の事情が優先されているように感じて、かなり違和感を感じました。

※念のため補足しておくと、エージェント業界は、紹介した人の入社が決まった段階で年収の1/X(よく1/3と聞きます)をインセンティブとして受け取れるというビジネスモデルです。

結局、選考を薦めた大手1社は最終面接で落ちてしまいましたが、面接の中で担当領域の狭さやベンダーへの委託範囲の多さを感じたため、落ちたことに対する後悔はありませんでした。

個人のエージェントへシフト

上記の大手1社の選考と並行する形で、友人の薦めもあり、個人で経営されているエージェントを紹介してもらいました。その方は一見強面なのですが、元リクルートのエージェント出身の方で、本人のキャリアに対する考え方、特性などを自己分析を通じてかなり掘り下げてから企業紹介をしてくれました。
結果的にはここでシフトして本当によかったです。

自己分析

詳細については、また別途まとめようと思いますが、手始めには以下の項目に対して答えていき、最終的に中長期的なゴールとそこから逆算した短期的なゴールを決めて選考に臨む形になります。

自己分析でやったこと
  • 過去の掘り下げ(なぜ今の高校、大学、会社を選んだのか、なぜ野球を始めたのか、など)
  • なぜ今の会社を退職しようと考えているのか。
  • 転職先を選ぶにあたっての観点・方向性
  • 自分のキャリアイメージとの比較
  • 社風
  • プライベートの時間
  • 年収について
  • 絶対に譲れない条件
  • キャリアビジョン(直近1~3年、3年~10年)
  • 性格診断

見えてきたキャリアビジョン

上記の分析に1~2週間費やして出てきたキャリアビジョンは、次の通りでした。

3~10年後の未来:場所に囚われず独立して仕事ができること

3年後:フルスタックエンジニアとして一人前になること。(勉強会や講演、副業などを行い自分の知見で多くの人を助ける。)

直近:プレイングマネージャーという形でプロダクト開発をマネジメントしつつ自分個人のスキルもあげていく。

選考結果

企業によっては好印象をいただき最終面接まで行きましたが、結果的にはX社ほど受け、全て敗退でした。FB(マイナス部分)としては、以下の通り。

  • マネージャーもやりつつプログラミングスキルも上げたいという要望に対してエンジニア側でどのように接したら良いか、戸惑い最終的には採用に至らなかった。
  • プログラミング経験のブランクが長い
  • 受託の経験が長く、自社開発に即戦力としてマッチするのは厳しそう。

選考仕切り直し

興味を持っていただいた企業はトントン拍子で最終まで行くのですが、最終面接でのアピールが弱かったこと、また、大したプログラミング経験、実績もないのにマネージャーをやりつつプログラミングの経験も積ませてほしいという要望に対して現場が戸惑ってしまったことが原因だと反省をしております。
自分のキャリアを実際のプロダクト企業の職種と照らし合わせて見直すことにしました。

改めて自己分析

3年後に到達していたいキャリアとしてPdM、サービス企画、EM(VPoE候補)の3つのキャリアに絞り、スキルの適正、興味関心、キャリアの希少性で見比べたところPdMというキャリアが一番しっくりくるということがわかり面接ではPdM志望として絞って臨むことを決めました。

面接は営業

最終面接でのアピールが弱いということを受けて、自分を簡単に知ってもらえるようにスライドの資料を作成して面接に臨むことにしました。
盛り込んだ内容は以下です。

  • 自己紹介
  • 経歴
  • 今後のキャリアビジョン
  • なぜ、PdMをやりたいか
  • 自分の強み、弱み
  • これまでの経験で苦労したこと

上記を面接の冒頭の自己紹介のタイミングで5分程度で話したら、かなり好印象でした。

内定

最終的には、リテイルテックのITベンチャーとITコンサル会社に2社に内定をもらい、前者への入社を決めました。

まとめ(転職活動を通じて気づいたポイント)

今回の転職活動を通じて、転職で後悔しないためのポイント

エージェント選びは慎重に

エージェント選びは慎重に行った方が良いです。必ずしも現状の不満を打開してくれる求人を紹介してくれるエージェントとは限りません。
特に大手のエージェントは求職者に数多くの求人を紹介して早くエンゲージさせてインセンティブを受け取りノルマを達成しようと考えている人も一定するいるのではと感じます。

自己分析は本当に大事

自分の将来を決める大事なターニングポイントですから、自己分析は自分が腹落ちするまでやった方が良いです。
私は自己分析をしたことで「自分の強み・弱み」「自分の好き・嫌い」「短期〜長期のキャリアビジョン」が見えてきて、納得感を持って選考に臨めました。

面接でのアピール

今所属しているベンチャーで採用に関わることがありますが、採用する側は本気で一緒に働きたいと思った人しかオファーを出しません。

伝えたいことを全て伝えてそれでも落ちてしまった場合は、その企業は自分に合わないところなんだと開き直れるくらいまで自分の伝えたいことを100%伝えられる工夫を入念にやっておくことをオススメします。

参考

今回の転職活動を通じて役に立ったことをまとめておきます。

個人のエージェント

個人でエージェントをされているTanpanさんには本当にお世話になりました。未だに仕事で困った時やライフステージが変わるタイミングで転職のことだけでなく、保険や不動産のことまで相談に乗っていただき、まさに人生のアドバイザーです!

役立った本

転職の思考法は非常に共感できた本です。
内容としては、会社のために尽くしても結局のところ個人の市場価値は上がらないということを具体的に話してくれています。